カテゴリー「ステンドグラス 上達のヒント」の記事

2020年8月30日 (日)

ステンドグラス上達のヒント:直線カットを成功させるには、カットする順番も大事

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直線カットが苦手な方は多いですが、様々なコツを知っていれば成功率はぐんと上がります。

今回、細長い形を2本取るために、直線を2回カットします。

この時、どちらを先にカットするでしょうか。

端から順番にカットするものだと思ってBからカットする方もいるかもしれませんが、正解はAです。

ここには、ステンドグラス制作をするときに知っていなければならないガラスの性質が関係しています。

それは「ガラスはアンバランスが嫌い」ということです。

 

二つの線の幅はそれぞれ3-4cmです。一方でガラスの全体のサイズはタテヨコともに30cm強あります。

実際にカットした経験のある方ならご理解いただけると思いますが、縦30cm、横3cmでカットするのと縦30cm、横7cmでカットするのなら、後者の方が遥かに簡単です。

それは、後者の方が左右の比率がより均等に近くなるからです。

ガラスカットで最も簡単なのは1:1、半分にカットすることです。

なので、できるだけそれに近づけるようにするのが大事です。

先にAでカットすれば、次はほぼ1:1でのカットとなるのでとても楽です。

必要なのが細長い形1本だけなら、残念ながら他のコツを駆使しながらがんばるしかないのですが、複数の細長い形をカットするときは、このようにできるだけ均等なカットになるように、カットする順番を考えるのが大事です。

 

ひとつトラップがあります。

「できるだけ均等なカットになる」とは最後のカットを1:1にする、ということです。

例えば必要なのが6本の場合、最初に均等なカットをしようとすると3本と3本にわかれてしまいます。

そうすると次が1本:2本に分かれてしまうため、アンバランスになってしまいます。

この場合は最初に2本:2本:2本になるようにカットして、その後1本:1本に分けるようにカットします。

最初に3等分するとなると最初のカットでやはり1:2になるではないか、と思われるでしょうが、最初の3等分の時はそれぞれの幅はそれなりにあるので、最後に1:2になってしまうよりはずっとマシです。

言葉で説明するとわかりづらいですが…。

 

複雑なデザインの作品だと幅1cm未満の細長いピースをカットしないといけないときもありますよね。

その時はぜひこのやり方を試してみてください。

2020年8月 9日 (日)

ステンドグラス 上達のヒント:直線カットが楽になるちょっとしたポイント

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生徒さんがオリジナルの作品を制作中です。

同じサイズの台形のピースをたくさんカットします。

ガラスに型紙を貼ってから、その幅に合わせてカットしようとしていたので、まず台形の高さを計り、その幅でガラスをカットしてから型紙を貼るようアドバイスしました。

同じ幅の複数のピースをカットするときは、最初にその幅でガラスをカットしてしまった方が、幅がきちんと揃うしずっと楽にカットできます。

また、型紙と型紙の間に3mmくらいのスペースを空けて貼っていたので、隙間はガラスカッターが通るギリギリの1mmくらいにするようお伝えしました。

そうすれば、カットした後にほとんど研磨しないですみます。

5mm以下の中途半端なスペースを空けてしまうと、それをきれいにカットするのは困難です。

ワニ口で折り取ろうとしても、きれいにスパッとカットできずにギザギザのバリが残ってしまいます。

これもちょっとしたポイントですが、知っているかいないかで作業の出来栄えや効率に大きな差が出てしまうので、ぜひとも生徒さんにも覚えておいてほしいコツのひとつです。

2020年7月23日 (木)

ステンドグラス 上達のヒント:直線はカッターで切りましょう

ステンドグラスの型紙を切るとき、ステンドグラス専用のパターンばさみでカットする方がほとんどだと思います。

ステンドグラス用のパターンばさみは片側が二枚刃になっているものです。

慣れないとカットがしづらいので、型紙のラインの両脇を通常のハサミでそれぞれカットするよう指導するお教室もあるようですが、やはり時間短縮や確実なカットのためにはパターンばさみを使った方がいいと思います。

はさみの上手な扱い法については、また改めてお伝えしますが、今回は直線カットについてのお話です。

 

曲線に関してはパターンばさみを使用した方がいいですが、直線はぜひともカッターで切りましょう。

はさみでは、どんなに熟練しても完璧な直線にはカットできません。

カッターでカットするときは、ラインの両脇を、1mm(ケイムの時は2mm)幅でカットします。

カッターも慣れないと意外と上手に扱えないものです。

コツをいくつか挙げてみます。

 

 *カッターマットを敷きましょう。

  新聞紙や段ボールで代用することもできますが、今は小さいサイズなら100円ショップでも購入できます。

  餅は餅屋で、本当にカットが楽になります!

  カッターマットにも刃が食い込むくらいしっかりと刃を当てると、とてもきれいにカットできます。

 

 *カッターの刃はこまめに交換しましょう。

  ガラスにコパーテープを巻いているときにはみ出た部分をトリミングしたりすると、すぐに刃こぼれしてしまいます。

  刃を出しすぎないことも大切です。

  カッターの刃は、カットするものの厚みに応じて出す長さを調整します。

  薄い紙をカットするときにたくさん刃を出してしまうと、刃が安定せずうまく切れません。

 

 *定規は金属製のものを使用しましょう。

  プラスチックや竹の定規は、カッターで削ってしまう恐れがあります。

  画像のような金属製の定規や、縁に金属がついている定規を使用しましょう。

  ちなみに、油性ペンで線を引くときは、金属製または竹製の定規を使用しましょう。

  石油製品であるプラスチックは、油性ペンの油で溶けてしまいます。

  これ、意外とご存じない方が多いですが、知らずに使っていると定規がボロボロになってしまいます。

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ちなみにもう一つ、正方形や角が直角の四角形をカットするときは、型紙に頼らずにガラスに直接油性ペンでカットする形を描いて、ガラスカット用直線定規でカットする方が確実にきれいな形のガラスを得ることができます。

ガラスの直線カットを苦手とする方も多いので、これもいずれコツをお伝えできればと思います。

2020年6月21日 (日)

ステンドグラス 上達のヒント:Health & Safety のすすめ

今回は「上達」のヒントとは少し異なるかもしれませんが、ステンドグラス制作を長く楽しんでいくためにとてもとても重要なことについてお伝えいたします。

ちょっと長くなりますが、お読みいただけるとうれしいです。

 

イギリスの大学院の文化財保存修復学に入学したとき、最初のガイダンスのテーマの一つが「Health & Safety」でした。

日本語で言うと「安全衛生」です。

自分と周囲の健康や安全を損なわないようにすることの大切さ、という感じでしょうか。

文化財修復では様々な薬品や工具を使用します。

文化財自体もホコリまみれだったり、生物の死骸やフン、酸化物などなど人体に有害なものがついている場合があります。

そんなわけで、作業場を常に清潔にする(場合によっては消毒する)、薬品は適切に管理する、換気を心掛ける、作業後は必ず手を洗う、作業場の汚れを外に持ち出さないために必ず白衣を着る、、、などなど様々な注意事項がありました。

先生方もHealth & Safetyについてはとても厳しかったので自然と身につき、今ステンドグラスの制作をする上でとても役立っています。

 

ステンドグラス制作でも修復同様に様々な薬品を使用します。

はんだには鉛が含まれています。

ガラスも常に手を切る可能性があるし、粉末が気管や肺に入ったら大変な健康被害を引き起しかねません。

電源の入ったはんだごてを不注意に放置すると、周辺のものを焦がしたり溶かしたり、最悪の場合は火事にもなってしまうかもしれません。

ステンドグラス制作に限りませんが、工芸、DIY、園芸などなど、刃物や工具、薬品などを使用する活動は実は常に危険と隣り合わせなのです。

そのため、教室では入会する方には必ずHealth & Safetyのガイダンスを行います。

「ガラスで自分を傷つけたら痛い」というのは日常生活でも体感することなので、ガラスに対して不注意になる方はあまりいらっしゃらないのですが、はんだや薬品については、その危険性をなかなかご理解いただけないことがあります。

ですが、ガラスで指を切っても、よほどの深い傷でなければ数日辛い思いをするだけで済みますが、薬品やはんだの鉛は吸引したり皮膚から吸収したりしてしまうので、ガラスの切り傷よりもよほどたちが悪いと思うのです。

作業中は夢中になってしまってHealth & Safetyの注意が散漫になってしまう生徒さんもいるので、気づくたびに小姑みたいに注意します💦

年長の生徒さんに注意をしてしまうのは申し訳ない思いがする反面、自宅で作業をする方もいるので、ここでしっかりと理解していただかなければとついつい強い口調で言ってしまうこともあります。

 

さて、新型コロナウイルス感染症が流行し、その予防法として手洗いや外出時の注意などが広く啓蒙されました。

その中に「家から一歩でも外に出たら、そこはすべてのものが『ペンキ塗りたて』だと思って行動しましょう」というのがありました。

私はよく生徒さんに、作業中の環境を「食べ散らかしたカレー皿のあるテーブル」「焼き肉をした後の食卓」なんて言葉で表現していました。

同じようなことだけど、「ペンキ塗りたて」の方が強烈でいいですね。

 

・ペンキ塗りたてのものに触った手で、顔を触りますか?

・ペンキ塗りたての作業台に財布や眼鏡を置きますか?

・ペンキ塗りたての手を洗わずにバッグの中を探りますか?

・せっかく完成させてきれいに洗った作品を、ペンキ塗りたての作業台に戻しますか?

 

そんな想像力をもって作業をしていただけたらなあと思います。

 

こんなお話をすると、「ステンドグラスってそんなに危ないの?! じゃあ習うのやめようかな。。。」と思ってしまう方がいらっしゃるかもしれません💦

そんなことはありません!!

例えば掃除をするときでも、漂白剤や除菌剤など人体に危険な薬品を使ったり、天井掃除など危険を伴う作業もありますよね。

ガーデニングで殺虫剤を散布したり伸び放題の雑草を刈るときは、薬剤や虫から身を守るためにマスクや手袋で防御するし、作業後は汚れた衣類を着替えたり手洗いうがいをいつも以上にしっかりしたりしますよね。

スポーツだって、ケガや事故がないように気をつけながら楽しみますよね。

そんな感じで、ちょっとレベルアップした注意を払えば、趣味としてステンドグラスを楽しむことは危険なことではありません。

 

ガラスの美しさ、ランプのやさしさは、いつまでも色あせないすばらしいものです。

自分だけのとっておきの作品づくりをいつまでも楽しんでいけるように、ちょっとした注意はいつも心掛けておきたいものです。

2020年3月15日 (日)

ステンドグラス 上達のヒント:型紙は絵を描くように切る

開催するステンドグラス教室で生徒に伝えていることを元に、

ステンドグラスを学んでいる方へ、知っておくと役立つヒントをお伝えいたします。

 

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ステンドグラスでは、まずデザインに沿って必要なガラスをカットしていきます。

教室によって呼称は異なると思いますが、型紙、パターン、テンプレートなどと呼ばれているかと思います。

ここでは型紙と呼びますが、その型紙はデザインのラインに沿ってハサミでばらばらにカットしていきます。

ちなみに型紙のカットには、パターンばさみという3枚刃のステンドグラス専用のはさみでカットします。

 

その時に最も重要なことが 型紙は絵を描くように切る ということです。

生徒さんの中には、例えば花のデザインならば花弁をひとつずつくり抜いていくようにハサミを動かす方もいます。

でもこのやり方だとハサミを細かく動かさなくてはいけない上に、カットしたそれぞれのピースのラインが不自然に途切れてしまったりします。

型紙のデザインをあたかも自分が描くように(またはデザインの上をなぞるように)ハサミを動かしていくと、カット後の各ピースの形が美しく仕上がります。

カット中は、デザインに応じてカットを途中で止めたり、四方八方からハサミを入れていったりします。

そうしていきながら、結果的にカットできたものを集めていきます。

 

言葉だけで表現するとややこしいですね。。。

今度、制作中に撮影しておこうかと思います。

 

ちなみに直線は 必ず カッターを使って切ります!

ハサミでフリーハンドで切ったら、直線が曲がってしまうからです。

デザインのラインを抜くように、ラインの両側にカッターを入れます。

カッターを使用するときはぜひともカッターマットを敷きましょう。

100円ショップのものでも大丈夫です。

段ボールなど代替品より格段にカッターでのカットが楽になります。

そして定規は必ず金属製、または金属カバー付きのものを使用しましょう。

プラスチックや竹の定規は、カッターで削ってしまう恐れがあります。

適切な道具を選ぶだけで、作業がぐっと楽になり、失敗が減ります。

ぜひお試しください♪

2019年9月 7日 (土)

ステンドグラス 上達のヒント : 型紙カットのちょっとした工夫

いちごのランプをお買い上げいただいたので、作品展に向けて2台制作することにしました。

ちょっと画像が暗くなりましたが、黄色の紙とピンクの紙を使用しています。

2枚で1セットです。

 

ガラスカットの時にカットした型紙をガラスにのりで貼るかはどうかは作品によって異なり、複雑なデザインの時は貼ってしまった方が楽です。

複数をまとめて作った方が効率がいいのですが、その時に色紙を使用するとカット後の分類がとても楽になります。

2セット作る場合は1セット目は白い紙、2セット目を色紙にするのですが、このランプの場合は白い紙は使用しません。

理由はいちごの花とバックに白のガラスを使用するからです。

白いガラスに白い紙を貼っても、見づらいのです。

DMやチラシに色紙が入っていると大切にとっておいて、制作時にカットする型紙に使用しています^ ^

ほんとうにちょっとした工夫ですが、こんなことも知っているかいないかで制作の効率がまったく違います。

生徒さんに教えると喜ばれるワザのひとつです。

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