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2016年2月20日 (土)

東京バレエ団『白鳥の湖』@東京文化会館

もう2週間も前のことになりますが、東京バレエ団のブルメイステル版『白鳥の湖』初演を観ました。
3日間の東京公演のうち、私は最終日2月7日、川島麻美子さんと岸本秀雄さん主演の回に行きました。

結論から言いますと、こんなにいい舞台になるとは!というほど、とてもいい舞台でした。
数年前、ベテランから中堅のダンサーが次々と退団して、層の薄さが目も当てられない状況に陥っていた頃から思うと、よくぞここまで戻ってきてくれたとうれしくなりました。
やはり伝統のある、日本を代表するバレエ団の一つですので、活気ある舞台を見せてくれたのは感慨があります。

昨秋の『ドン・キホーテ』横浜公演がとてもよくて、希望の光が見えてはいましたが、白鳥となるとやはりドンキのように若さと勢いで突っ走るわけにもいきませんし、ブルメイステル版は重厚で演劇性が重視されるとても難しい、でも成功すればとても面白い舞台なので、バレエ団としても大きな賭けだったのではと思います。
今まで東京バレエ団で上演していた白鳥のバージョンは今一つ古臭いというか、個性のあまりない印象の薄いものだったので、このブルメイステル版は今後もとても大きな財産になると思います。

もともと群舞には定評のあるバレエ団ですが、今回は2幕の白鳥はもちろん、1幕の村人の踊りや3幕の王宮での舞踏会もとても見応えがありました。
衣装はモスクワ音楽劇場から借りて、美術はオリジナルとのことでしたが、その舞台美術が奥行があってセンスもよくすてきでした。
特に王宮の場面の背景が重厚ですばらしかったです。

昨年、秋元康臣さんがプリンシパルとして、宮川新大さんがソリストとして入団しましたが、このお二人が入ったおかげで、適材適所の配役ができるようになったのも大きいかなと思いました。
男性の実力あるダンサーが大量退団して以来、こんな大役をやるには技術が、、、という残念な配役がしばしばありました。
今回、1幕のパドカトル(一般的には女性2・男性1のパドトロワとして踊られる曲)で宮川さんと松野乃知さんが踊っていましたが、岸本さんが王子を踊るとなると、今までだったら松野さんと並んで遜色ない男性ダンサーがいないためアンバランスな配役になってしまったと思いますが、宮川さんは松野さんと力量も外見も釣り合いがとれるので、若い二人の競い合うような踊りがとても楽しかったです。

3幕の各国の踊りが、ブルメイステル版だと全て悪魔ロットバルトの手下という設定ですが、ソリストがそれぞれ適材適所で、こちらも非常に見応えがありました。
奈良春夏さんのスペインのソロのおっかないこと!本当にこういう役で得難い魅力を放つ貴重なダンサーです。
沖香奈子さんのナポリも、跳ねるような軽やかで力強い踊りと小悪魔的な美しさで、毎度のことながらキラキラしていました。

昨年、12月のギエム引退公演のチケット優先予約のために、初めてファンクラブのクラブ・アッサンブレに入会しました。
もともとNBSのweb会員にはなっていたので、そちらでチケットも取れるし、ファンクラブに入るほどでもないなと思っていたのですが、実際に入会するとチケットやプログラムが割引価格で買えたりするので、入会金もすぐに元が取れてしまって思っていた以上にお得でした。
しかも今回の白鳥の舞台終演後にファンミーティングみたいなものがあって、ダンサーの方たちを身近に見てお話をする機会もありました。
今年入団したという若い方たちとお話ししたのですが、2幕のコールドでは隣のダンサーとの距離や立っている足の角度など、数センチの幅で直されたりして本当に大変でした!とおっしゃっていました。
でもその努力の甲斐のある美しい群舞でした。
4幕で、オデットを裏切った王子を拒否する白鳥たちの冷たい怖さも、とても説得力を持って表現されていました。

私の好きなダンサーの一人であるプリンシパルの梅澤紘貴さんは、3日間のうち私の観る7日しか出演されていなかったので、とてもラッキーでした。
3幕の舞踏会のマズルカのソリスト役だったので、マズルカの曲が始まった時は「美しい姿を観られる最後!」と緊張したのですが、いざ舞台に出てきた姿を観てびっくり!帽子と鬘と付け髭で、お顔がほとんど見えません。
でも細身の美しい立ち姿や踊りはいつも通りで、威厳が必要なマズルカのソリストがとてもすてきでした。

プリンシパルの吉岡美佳さんが3月末で定年退団されます。
私が本格的に東京バレエ団を観始めたのは、89年頃のジョルジュ・ドンのボレロ公演からで、主にベジャール作品を上演するときに足を運んでいました。
吉岡さんは90年代初頭に入団されたので、私の東京バレエ団観劇歴がそのまま吉岡さんの活躍期と重なります。
スタイル抜群のクールビューティですが、作品によってはキュートだったりたおやかな優しさを見せたりと、様々な作品で印象を残しています。
去年は高岸直樹さんが退団されたし、木村和夫さんも近々定年になるので、全盛期を支えた方々がいなくなるのはさびしいですが、今回の白鳥でクラシックではかなり期待が持てるようになったので、次はぜひともモダン作品もレベルを上げてほしいです。
今年は「カブキ」を再演するようですが、いつか「M」やベジャール版くるみも高レベル(ここが重要)で再演してほしいです。

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