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2014年8月 8日 (金)

バレエ・リュス展@国立新美術館

3日(日)に六本木の国立新美術館の『魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展』を観に行きました。
夏休み中の日曜日、しかも同じ施設内でオルセー美術館展も開催中のため混雑しているのではと覚悟していきましたが、予想に反して比較的空いていて、とてもゆっくりと見ることができました。
オルセー美術館展も特設チケット売り場がありましたが行列もなく、それほど混雑している感じではありませんでした。時間ができたらそちらも行こうかと思っていたのですが、バレエ・リュス展がとても充実していたため見ることができませんでした。閉幕近くなると混雑すると思うので、早めに行くといいかと思います。

バレエ・リュスに関する展覧会は過去にもセゾン美術館や庭園美術館で開催されたものを観に行ったことがあります。バレエ・リュスは、単にバレエの歴史的に重要なだけではなく、多くの著名な音楽家や芸術家が刺激を受け、制作にも携わった当時の一大ムーブメントでした。今回の展示はオーストラリアの博物館所蔵の衣装がメインで、写真や絵などはあまりありませんでした。その点では少し物足りないですが、衣装はなかなか本物をみることができませんし、実際に見てみないと色合いや質感、細かな細工などはわからないので、すべてをじっくりと見ていると時間があっという間に過ぎてしまいます。

会場はとても暗く、室温が低く抑えられていました。薄着で来てしまったので、手足の先が冷えてしまってちょっと辛かったです。会場ではストールの貸し出しもしていました。
ただ、この室温も布製品という非常に痛みやすい素材の展覧会では仕方のないことです。
昔は私も夏の美術館の寒すぎるエアコンに「省エネの時代に逆行している!」と思っていましたが、文化財保存修復学を学んで、それが作品保護のために必要なことなのだと知りました。
特に布製品は光による褪色や高温多湿によるカビや虫食いなど、非常に劣化しやすい素材です。大学の実習で1900年代初頭のパラソルの修理をしたことがありますが、紫外線と経年劣化で布がとても脆くなっていて、ちょっと触れただけでボロボロと崩れて途方にくれてしまいました。文化財、特に布や紙などの有機物でできているものは、経年劣化は避けられません。だからといって完璧に管理された倉庫に眠らせておいては意味がないため、空調や光、展示方法などに細心の注意を払いながら展示します。寒すぎる、暗すぎると感じる室内の状況も、作品保護のためにはやむを得ないものなのです。

今回の展示品は、やはり多少の色褪せや劣化はあるものの、とても保存状態が良く、デザインの斬新さなどがよくわかります。今のように軽く薄く動きやすい合成繊維ではないので、これを着てバレエを踊るのは大変だろうなと思います。

バレエ・リュスの作品では、『ラ・シルフィード』や『薔薇の精』は今でもよく上演されます。日本だと東京バレエ団が『牧神の午後』や『ペトルーシュカ』なども度々上演します。後者はいずれも振り付けはもちろん衣装や舞台美術がとても斬新で刺激的です。

ニジンスキーに関する書籍も多く出ていますが、『ニジンスキー頌』という、ニジンスキーと同時代を生きた人々による証言集が好きです。特にチャップリンが、撮影現場に見学に訪れたニジンスキーについて記した文章が、とても印象的なエピソードもあって好きでした。今は廃刊のようなので残念です。

国立新美術館はいままでご縁がなくて、今回初めて行きましたが、吹き抜けの空間が心地よくていい建物だと思いました。時間のある時に、もっと隈なく見てみたいと思います。

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